症状: GpuRamDriveを実行すると、実ストレージが上書きされた
原因: ドライブ名が重複し、RAMドライブの内容が実ドライブに上書きされたため
対処: PhotoRecで救出(ただしフォルダ構成とファイル名は失われる)
RAMドライブの中でも、高速かつWindows10に正式対応している ImDisk はとても有能だ。
その拡張として、dGPUの余剰VRAMからRAMディスクを作成するという、なんとも実験的なソフトウェアが存在する。
それが GpuRamDrive だ。
設定はGUIで行えるために操作で困ることはないが、デフォルトの設定が Rドライブ に決め打ちされており、HDDのパーティションにRドライブを指定していた自分の環境にとっては、ドライブ名で衝突してしまうのだった。
GpuRamDriveをアンマウントした直後、Rドライブの中身がフォーマット後のように「$RECYCLE.BIN」 と「System Volume Information」のみになっていた。
しかも、ファイルシステムが NTFS から exFAT となり MFT等のメタデータが失われたため、 Recuva 等のファイル復元ソフトでは復旧はできない。
TestDisk でDeeper Search をかけてもパーティションは回復できなかった。また、ファイナルデータ11プラス体験版 を用いて救出を試みるが、時間がかかる割にはファイル名の発見には至らなかった。
これは仮定だが、パーティションのファイルシステムのIDが書き換わっているだけなので、GParted でフォーマットせずに変更しようとしたが、パーティションの損傷を拡大しそうな雰囲気に実行する決断はできなかった。
2日ほど経ったのち、自棄になって
「GpuRamDriveでファイルシステムが壊れたのだから、もう一度RドライブにNTFSで書き戻してみよう」
と思い立った。(データの復旧は半ば諦めかけている)
HDDのRドライブはNTFS に書き換わったが、当然フォルダやファイルは復旧してはいない。
ここから TestDisk のサブツールである PhotoRec を起動し、データの救出作業を行った。
不幸中の幸いだったのは、主に録画した動画や編集中の内容を保存していたデータドライブだったため、メディア形式から判断しやすいらしく、9割以上のデータを復旧できた。
ただし、フォルダ名は失われ、ファイル名はセクタ名が割り当てられており、一つずつ内容を確認するしかない状況だ。
全てを失うよりマシではある、と言い聞かせよう。
教訓:実験的なソフトウェアをメイン環境で使ってはならない。